国鉄バスの松山高知急行線は、1934年に四国で最初の省営自動車線の予土線として開業しました。本路線は「鉄道線の先行・短絡」という使命の下に開設された国鉄バス路線で、松山の有志たちが「鉄道が無理なら自動車線を」という想いで鉄道省に陳情し実現した路線です。国道33号経由で松山と高知を結ぶ幹線で、1960年以降の都市間連絡輸送は好調となり、特にJR四国発足当時は鉄道も含めたJR四国全体で唯一の黒字路線でした。しかし、特急・急行「なんごく」号は新車投入及び増便を積極的に行う一方、本線(松山~高知)以外の枝線は利用者の減少により廃止が進みました。
一方、四国でも高速道路の整備が進み、松山・高知間を松山自動車道・高知自動車道経由で結ぶ高速バス路線(「ホエールエクスプレス」号)が伊予鉄道・土佐電気鉄道・高知県交通で運行されると、「なんごく」号は運行距離は短くとも所要時間で劣勢を強いられることとなり、JR四国も同高速道を経由する高速バス「なんごくエクスプレス」号の運行を開始することとしました。これに伴い「なんごく」号は2001年に3往復へ大幅減便され、2002年には全廃されました。地元自治体は「なんごく」号も含めた路線維持を求めていましたが、最終的には廃止を覆すことはできませんでした。
松山高知急行線は、2002年「なんごく」号全廃後、愛媛県内の松山~落出駅間に路線短縮され、普通便のみの運行となりました。そして、2017年にはジェイアール四国バスの運転区間が松山~久万高原駅間に短縮され、廃止区間(久万高原~落出)は久万高原町営バスの久万落出線に代替されました。また、2017年3月31日で黒岩観光が落出~上仁淀間を休止したため、バスで県境を跨ぐ事が難しくなっています。

ジェイアール四国バス 久万高原線 JR松山駅付近 国鉄バスカラーが健在
私が中学生時代に急行「なんごく」号で松山ー高知を往復しましたが、その頃に思いを馳せて、現在の公共交通機関を乗り継ぎ、松山駅→高知駅を走破しましたので報告します。
旅行日:2022年5月
旧国鉄バス 松山高知急行線
第1ランナー ジェイアール四国バス 松山駅 8:30溌 久万高原駅 9:40着
第2ランナー 久万高原町営バス 久万高原駅 9:45溌 落出駅 10:13着
寄り道 旧国鉄バス 八釜線
特別ランナー1 久万高原町営バス 落出駅 10:15溌 古味 10:43着
特別ランナー2 久万高原町営バス 古味 10:48溌 落出駅 11:16着
旧国鉄バス 松山高知急行線
第3ランナー 柳谷タクシー 落出駅 11:50頃溌 伊予旭 12:00頃着
第4ランナー 仁淀川町民バス 伊予旭 12:48溌 森 13:10着
徒歩 森 14:00頃溌 川渡 14:30頃着
第5ランナー 黒岩観光バス 川渡 14:43溌 佐川駅 15:28着
第6ランナー JR四国土讃線 佐川駅 17:22溌 高知駅 18:10着
帰路 高速バス「なんごくエクスプレス」号
現行ランナー ジェイアール四国バス 高知駅 18:20溌 松山駅 21:26着
国鉄バス 松山高知急行線を辿る旅