トラ45000形貨車は、国鉄が1960年(昭和35年)から製作した無蓋貨車である。第二次世界大戦前に製作された雑多な二軸無蓋車の廃車補充のため、1960年(昭和35年)から1963年(昭和38年)にかけて8,184両(コトラ45000
- コトラ53183)が日立製作所、若松車輛、三菱重工業、飯野重工業、舞鶴重工業で製作された。
荷重は17 tであるが、容積の大きい嵩高貨物の積載時には15 tを上限とする。この運用方を識別するため、車体に表示する記号番号は特殊標記符号「コ」(標記トン数が17
t、及び15 tと併記してある無蓋車)を前置し「コトラ」と標記する。
妻面はプレス鋼板、床板は 6mm 厚の鋼板を用いる半鋼製車体で、側面の「あおり戸」のみ木製である。オリジナル車の外部塗色は黒色である。懸架装置は二段リンク式で、最高速度は75
km/h である。ブレーキ装置は、国鉄貨車で汎用的に使用されるK三動弁を用いた自動空気ブレーキと、足踏みテコ式の留置ブレーキを片側の側面に備える。
国鉄分割民営化後は車扱貨物列車の減少が進行して営業上の用途を喪失し、特殊品目の輸送用(配給車代用)として少数が残存しているのみである。
JR四国に残存するトラ45000形は、予土線で運行する「トロッコ清流しまんと号」のトロッコ車両に用いるため、旅客用として転用された車両で、1984年(昭和59年)に1両(コトラ152462)が改造された。形式
および 車両番号の変更はない。屋根を追設したほか室内に座席を設置し、妻面には気動車の廃車部品を流用した貫通路を設けた。国鉄時代はキハ52形、キハ55形、キハ58形などと併結して運用され、その後JR四国が承継した。現在はキハ54形などを伴って運用されている。2013年(平成25年)10月にJR九州などで車両デザインを手掛けるデザイナーの水戸岡鋭治氏のデザインによりリニューアルされ、外部塗色が
黄かん色(オレンジ色)に変更されて「しまんトロッコ」の愛称にて運転されている。

トラ45000+キハ54 窪川にて

トラ45000 窪川にて

トラ45000 窪川にて
トラ45000+キハ54 窪川にて

「清流しまんと」号時代のトラ45000 大歩危にて
国鉄時代から2013年まで長らくそのままの形態で使用されたが、2013年に大幅リニューアルされた。
トラ45000主要諸元
形式 |
トラ45000 |
運用者 |
日本国有鉄道
JR西日本
JR四国
JR貨物 |
改造所 |
国鉄 多度津工場 |
製造年 |
1960-1963年 |
最高運転速度 |
75 km/h |
全長 |
8,010 mm |
全幅 |
2,746 mm |
全高 |
2,765 mm |
車体 |
普通鋼 |
荷重 |
17、15t |
自重 |
8.7 t |
走り装置 |
2段リンク式 |
トラ45000配置表

