
普通 1500形 高徳線
旧国鉄から承継し使用してきたキハ58系気動車など国鉄形気動車の老朽取替を目的として、JR四国が1000形気動車に引き続き製作した車両である。
環境保全を重視した「環境にやさしい車両」として、かつ、バリアフリーに配慮した車両として開発され、2006年から徳島地区を中心として地域輸送に使用されている。なお増備は2014年(平成26年)配置の8次車(1568・1569)で終了した。
車体
車体は、全長 21 m 級のステンレス製軽量構体で、運転台を両端に設けた両運転台式である。正面は鋼製で、中央に貫通路を設け、窓周り・行先表示部に黒色加工を施したスタイルである。客室窓は横長の2段式で、上段のみ開閉可能である。外部塗色は前面鋼製部分が若葉色、前面窓部は周囲を黒色、窓直下部・貫通扉を緑色とし、前後の客用扉には緑色系統の縦帯を配する。側面向かって左側の客用扉戸袋部に「すだち」を図案化したロゴマークを配する。正面下部の排障器(スカート)は左右に分割され、縁部の丸め処理・上縁部が中央に向かい下降する円弧形状など、独特の形状をもつ。客用扉は片開き式の引き戸を片側3か所に設け、扉の隣接部には開閉ボタン・ワンマン運転用の乗降口表示器を設ける。行先表示は側面の幕板部に方向幕を装備する。バリアフリー対応として、床面高さを1000型の1180mmより80mm低くした1100mmとし、客用扉部のステップを廃するなど、駅ホームとの段差を縮小する配慮がなされる。客用扉にドアチャイムを設置するほか、室内には車いすスペース・車いす対応トイレを設ける。冷房装置は集中式の
AU720 形を屋根上に1基設置し、冷媒には代替フロン (R-407C) を用いている。
駆動系
コマツ製の直列6気筒ディーゼル機関 SA6D140HE-2 (450PS) を1基搭載する。これはコモンレール方式の燃料噴射装置を搭載する機関で、同方式はJRグループ初の採用である。窒素酸化物 (NOx) の排出量を約 60 % 削減(1000形比)可能とされ、環境負荷軽減に寄与する。液体変速機は直結4段式で、変速段→直結段の切替は車両速度に応じ自動的になされる。従来の1000形・2000系気動車より切替の速度域を低くしたほか、運転士が停車状態からフルノッチを投入しても、機関回転数の上昇を段階的・連続的な変化に抑制させる制御機構をもつ。
台車
円錐積層ゴムによる軸箱支持装置をもつボルスタレス台車 S-DT65 形(動力台車、2軸駆動) S-TR65 形(付随台車)で、低車高対応のため台車側梁の中央部高さを下げている。枕バネは空気バネ、基礎ブレーキ装置は踏面片押し式、牽引装置はZリンク式である。ブレーキ装置1000形と同様の電気指令式で、自動空気ブレーキのみ装備の国鉄形気動車(キハ58系など)とは併結使用ができない。併設する機関ブレーキ・排気ブレーキは従来形式より作動開始速度を引き上げ、機関ブレーキ投入時の制御方式を改良して排気ブレーキ初動時の黒煙発生を減少させている。
室内設備
室内は5000系電車と同様の転換クロスシートで、JR四国所有の気動車では初の採用である。客用扉隣接部には補助座席を設ける。内装材は8000系電車(リニューアル車)を踏襲した木目調のパネルを使用する。1 - 6次車は 2+2形式の転換クロスシートである。
電気連結器付き密着連結器を装備するため、通常運用においては同連結器を装備する1200形のみ併結可能となっている。ワンマン運転に対応し、整理券発行機・運賃表示器・運賃箱を設置する。諸機器は運転席のモニタ装置で連動設定が可能で、出発前の設定が1000形などに比べ大幅に簡素化された。運転台は視認性とメンテナンス性向上のため、JR四国では初となるタッチパネル式モニタ装置・時刻表掲示台の白色LED照明などの対応がなされる。マスコンハンドルは、5000系電車と同様の横軸ツインレバー型を採用する。
7次車
2013年に、内外装ともに大幅にリニューアルした7次車が、近畿車輛で2両(1566 , 1567)製作された。これが近畿車輛製としてはキハ81
1 - 3以来、53年ぶりに製造された国内向け気動車となる。また、JR四国では7000系電車以来となる近畿車輛製の車両でもある。外観基本的な構造は変わらないものの、6次車までのもつイメージを継承しながらも、先進性を表す翼状の傾斜面を前面窓の下部に配すように変更し、この傾斜面をより引き立たせるために前面窓ガラスを平面とし、より洗練された造型としている。また従来、若葉色をベース色としていた鋼製部分もアルミに近似の銀色塗装となり、車体配色等もターコイズ系の塗装になるなど大幅に異なっている。スカートの形状や前面窓の形状も変更され、車両番号が正面に向かって右側の排障器に表記された他、新たに「SHIKOKU
RAILWAY COMPANY」という社名標記が、車両正面及び車両側面に加えられている。車両側面ではロゴマークが変更された上でやや下寄りに「Ecology
Diesel Train 1500 series」と標記され、車両正面同様配色も変更されている。内装車内配色が従来の木目調のほか、白色も使用されている。床面は灰色に変更され、出入口部は1次車より青色のノンスリップタイプを使用していたが、7次車から注意喚起を示すため黄色に変更された。この他、出入口部関係では鴨居下部にドア開閉案内として赤色LEDを新設し開閉直前および開閉中は点滅する。座席部は緑系モケットの転換クロスシートに加え、新たに片持ちバケット式ロングシートを千鳥配置としており、着座定員確保や車内スペースの拡大を図っている。優先座席部では座席のモケットを青色に塗り分け、優先座席標記はマタニティーマーク入りの新デザインの物に変更されている。またJR四国で初めてLCD式の運賃表示器を採用し、従来車内案内表示器のあった場所に設置されている。ツーマン時は運賃表表示を省略し、次駅案内等のみを行っている。
参考出展:https://ja.wikipedia.org
普通 1500形 牟岐線 海部
普通 1500形 高徳線 池谷ー勝瑞
普通 1500形 高徳線
普通 1500形+1200形 徳島線 辻ー阿波加茂

普通 1500形 徳島線 川田ー阿波山川

普通 1500形(7次車)+1200形 徳島線
普通 1500形(7次車) 高徳線 高松
1500形主要諸元
形式 |
1500 |
運用者 |
JR四国 |
製造所 |
新潟トランシス
近畿車輛(7次車)
|
製造年 |
2006年~2014年 |
製造数 |
34両 |
運用開始 |
2006年5月25日 |
最高運転速度 |
110 km/h |
全長 |
21300 mm |
全幅 |
2988 mm |
全高 |
3976 mm |
床面高さ |
1100 mm |
車体 |
ステンレス鋼 |
車輪径 |
860 mm |
車両定員 |
121名 |
自重 |
35.0 t |
台車 |
S-DT65/S-TR65 |
機関 |
コマツ SA6D140-HE-2 |
機関出力 |
450 PS |
変速機 |
DW-21D |
変速段 |
変速1段、直結4段 |
制動装置 |
電気指令式空気ブレーキ
機関排気ブレーキ併用 |
保安装置 |
ATS-SS |
1500形車内
1500形運転室
1500形車歴表
番号 |
新製年 |
製造所 |
新製配置 |
現配置 |
備考 |
1501 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1502 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1503 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1504 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1505 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1506 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1507 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1508 |
06 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
1次車 |
1509 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1510 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1511 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1512 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1513 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1514 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1515 |
08 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
2次車 |
1551 |
09 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
3次車 |
1552 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1553 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1554 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1555 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1556 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1557 |
10 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
4次車 |
1558 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1559 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1560 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1561 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1562 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1563 |
11 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
5次車 |
1564 |
12 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
6次車 |
1565 |
12 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
6次車 |
1566 |
13 |
近車 |
徳島 |
徳島 |
7次車 |
1567 |
13 |
近車 |
徳島 |
徳島 |
7次車 |
1568 |
14 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
8次車 |
1569 |
14 |
新潟ト |
徳島 |
徳島 |
8次車 |
