伊予鉄道 1号機関車
本記事を参照下さい。
伊予鉄道 市内線用木造単車12号
伊予鉄道の復元車と言えば、まず「坊ちゃん列車」を思い浮かべますが、愛媛県立歴史文化博物館には、市内線用木製単車12号の復元車があります。実際に線路上を走るものではありませんが、その再現度にびっくりします。実物の伊予鉄道12号は、伊予鉄道が1923（大正12）年に自社工場で製造した７〜16号のうちの１輌で、台車はブリル、電機品はシーメンス製です。松山市内線にボギー車が入ったのは1951（昭和26）年になってからで、それが現在も活躍しているモハ50形です。その増備とともに単車は順次引退していき、12号は1962（昭和37）年に廃車となりました。それから約50年の時を隔てて12号は復元されましたが、実物と思ってしまうほどの再現度です。外形や白熱電球による照明が美しい車内はもちろん、台車もブリル社製21Eが再現され、軸箱にはブリルの銘まであります。
この復元車が展示されているのは博物館内の歴史展示室４「愛媛県の誕生と歩み」と題するゾーンで、昭和初期の松山市内、大街道付近を実物大で再現した一角です。ところで、愛媛県立歴史文化博物館は、松山市内ではなく、宇和島市の北隣に位置する西予市宇和町卯之町にあります。松山からは遠いですが、路面電車ファンには一見の価値があります。
愛媛県立歴史文化博物館内に復元された伊予鉄道 市内線用木造単車12号
私の父親が学生時代に乗っていた伊予鉄道市内線の単車
白熱灯に照らされた美しい車内
シンプルな運転台
直接制御式の主幹制御機とハンドル式手ブレーキ
出発の合図を送るベル。チンチン電車と呼ばれた所以。
明り取り入れ用のダブルルーフ。伊予鉄道の社紋入り。
大街道を再現している。
昔のお菓子屋さん。
なつかしのお菓子屋さん内部。私が子供の頃の商店街にはまだこのような店が残っていた。
こちらは、松山で有名だったうどん屋さん「亀屋」
「亀屋」の内部。
大街道筋を再現！
子供の頃の夜の景色が蘇る。
アクセス：JR四国卯之町駅からタクシー10分、または徒歩30分
宇和島鉄道 1号機関車
宇和島鉄道は，大正3年に宇和島・近永間を開業し，大正12年に近永・吉野間を延長しました。軌間762mmn軽便鉄道として営業していましたが，昭和8年に国鉄に買収されました。愛媛県南予地方に存在した初期の鉄道であり地域の暮らしや産業と関わりを持ちました。国鉄移管後の宇和島鉄道は、軌間を日本の国鉄の標準である1067mmに変更する工事が行われ，昭和16年に工事が完了し、大部分が現在のJR四国予讃線・予土線になり現在に至っています。
宇和島鉄道の1号機関車は、1913年（大正2年）に3両、1922年（大正11年）および1924年（大正13年）に各1両の計5両がドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペル社で製造されました。宇和島鉄道では、1 - 3, 5, 6と称しましたが、1933年（昭和8年）8月1日の国有化にともない鉄道省籍となり、ケ220形（ケ220 - ケ224）と改番されました。製造番号は、1913年製が5826 - 5828、1922年製が9846、1924年製が10838です。
機関車の形態は、車軸配置0-6-0(B)型9.6トン級ウェルタンク機関車で、固定軸距は1,400mmです。本形式の炭庫は、オリジナルでは運転台前方の張り出しにありましたが、後の改造により、運転台後方に炭庫の張り出しを設けました。
国有化後は、宇和島線の1,067mm軌間への改軌工事に8年余りかかったため、1941年（昭和16年）まで宇和島線で使用されました。改軌工事の完成後は、佐世保鉄道を買収した松浦線に移されました。
宇和島鉄道1号機関車の改番機、ケ220形の諸元を示します。
全長：5,492mm
全高：2,914mm
軌間：762mm
車軸配置：0-6-0(C)
動輪直径：600mm
弁装置：ワルシャート式
シリンダー（直径×行程）：210mm×300mm
ボイラー圧力：12.3kg/cm2
火格子面積：0.40m2
全伝熱面積：18.4m2
機関車運転整備重量：9.7t
水タンク容量：0.90m3
燃料積載量：0.4t
機関車性能 シリンダ引張力：2,320kg
ブレーキ方式：手ブレーキ（後年、蒸気ブレーキを追設）
宇和島鉄道1号機関車レプリカ 宇和島駅前にて
宇和島鉄道1号機関車レプリカ 宇和島駅前にて
宇和島鉄道1号機関車レプリカ 宇和島駅前にて
アクセス：JR四国宇和島駅前
