愛媛県 南予 2




南予レクリエーション都市

 南予レクリエーション都市は、愛媛県の南部(南予)のうち、北宇和郡吉田町(現・宇和島市)から南宇和郡城辺町(現・愛南町)の沿岸部において昭和40年代後半から昭和60年代にかけて、愛媛県が計画し、建設省の補助を受け、一部地域において整備を行った観光レクリエーション開発です。略称は南レクです。施設運営は、愛媛県ほか出資の第三セクターである南レク株式会社が行っています。
 かつて、白石春樹知事のもと愛媛県では、この地域の豊かな自然を活用して地域の開発の新風を巻き起こし、四国西南地域の拠点、レクリエーションの拠点を整備する方針を立てました。1972年には建設省の「地方型レクリエーション都市」として指定を受け、宇和島、津島、御荘、城辺の地域を開発の中心地とし、快適なレクリエーション都市をつくることを目標とし、県主導で1972年から整備が進められました。 しかし、高度成長期の経済社会を前提に計画、整備が進められ、オイルショックや海洋性レクリエーション需要の不発、幹線交通網の整備の遅れなどの見込み違いもあり、集客は芳しくなく、行政主導による公園の整備のみが進められました。 結局、平成に入り、新規開発は中止となり、ほぼ維持管理のみとなっています。


南レク 馬瀬地区

アクセス:宇和島自動車 外泊線 展望タワー入口バス停下車徒歩15分



宇和海展望タワー(休止)

 宇和海展望タワーは、南予レクリエーション都市の一環として1977年8月に愛媛県南宇和郡御荘町(当時)の馬瀬山公園にて完成しました。しかし、2019年7月8日に巨大地震に対する耐震性が満たないことが判明、9日から運航を休止しました。再開のめどは立っておらず、事実上の廃止です。展望タワーは、高さ110mの回転昇降式で、展望室からは360度に亘り御荘湾・宇和海のリアス式海岸・馬瀬山公園の光景が見えました。展望室はドーナツ形で、直径は約6.7m、高さは約6.5m、定員は65人でした。



馬瀬山の頂上付近に建つ宇和海展望タワー



赤白に塗られ、いかにも昭和のテイストが漂う。











展望タワーのチケット売り場だった建物。実は御荘湾ロープウェイの山頂駅だった建物。



御荘湾ロープウェイのすぐ隣に宇和海展望タワーがある。



展望タワーのりばへ続く通路



展望タワーの地上部建屋



銘版。日本ケーブル建造で昭和52年竣工であることが分かる。



なつかしの字体による案内看板



展望タワーのりば(建屋窓越しに撮影。内部へは入れません。)



展望タワーのりば操作部(建屋窓越しに撮影。内部へは入れません。)



展望室はなぜか柱中間部で止まった状態。着地状態が安全だと思うが。





御荘湾ロープウェイ(廃止)





こども動物園

 こども動物園は、宇和海展望タワーのすぐ近くにあります。クジャク、インドクジャク(白クジャク)、フラミンゴなどの小動物がいるようです。放し飼いにしているので、見るだけでなく、動物と触れ合うことのできる動物園です。新型コロナの影響か訪問当日は閉まっていました。



動物園の入口にあるパンダの像。後ろの看板の通り、目つきが異様に悪く、かわいくないパンダ。
だれが、どういう目的でこのような表情のパンダを製作したのか?


こども動物園の入口。
ロープウェイも展望台も無い今、ここまで来る人がどれだけいるだろうか?



無料、開園時間:9:00~17:00 (休園期間 12月29日~1月1日)





紫電改展示館

 昭和53年11月、愛媛県南宇和郡城辺町久良湾の海底40mに原型のまま沈んでいる旧日本海軍の紫電改が地元ダイバーによって発見され、翌年7月14日実に34年ぶりに引き揚げられました。その紫電改を修復し、展示しているのが、南レク紫電改展示館です。紫電改はゼロ戦に代わる新鋭機として終戦間近に開発され、海軍のもっとも優れた戦闘機だったと言われています。現存する、日本で唯一機です。



紫電改展示館



引き揚げられた状態をできるだけ残す復元工事が実施された紫電改。
プロペラも曲がったままとされている。














平和を訴える展示として永久に保存されます。
今の平和がなぜあるのかを考える機会にしたいですね。


旧日本海軍局地戦闘機『紫電改』データ

全長 9.34m
重量 4.86t
主翼 11.99m
時速 620km
高さ 3.9m
エンジン 2000馬力




無料、展示時間:9:00~17:00 (休園期間 12月29日~1月1日)





石垣の里 外泊

 愛媛県愛南町の外泊は、「石垣の里」と呼ばれる大変美しい集落です。入江に面した急斜面には民家が山の中腹まで続き、それぞれの民家は、台風や季節風から家や暮らしを守るため、軒に達するほどの石垣が整然と積み上げられています。その景観から石垣の里として知られ、独特の家並みを形成するこの集落は 「日本の美しいむら農林水産大臣賞」や「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれています。また平成19年(2007年)には、財団法人 古都保存財団の「美しい日本の歴史的風土100選」にも選ばれ、日本を代表する石垣文化の一大景観地となっています。集落を登っていくと、憩いの場・観光の拠点として利用できる「だんだん館」があります。石垣の里の眼下に広がる宇和海を臨みながら、コーヒーを飲んだり、軽食を食べながら、一服することもできるほか、予約をすれば郷土料理も食べることができます。



宇和島自動車外泊線の終点外泊(現在はあいなんバスに転換)




石造りの路地も美しい



用水路を挟む石造りの路地。日本の集落の原風景。



西海が見渡せる。







だんだん畑跡も残る。



路地の先には美しい西海



愛媛のマチュピチュか?



強風から家を守る石垣。美しい。


アクセス:宇和島自動車(現在は「あいなんバス」に転換) 外泊線 終点外泊下車すぐ



























ガイドブックには載らないディープな四国