四国の失われたロープウェイ
四国は山がちな地形も相まって、かつては多数のロープウェイが運行されていました。しかし、道路が整備されたことや、観光地の陳腐化、設備老朽化等により廃止されたロープウェイもあります。廃止されたロープウェイ跡も巡ってみたいと思います。



奥道後ロープウェイ

 奥道後ロープウェイは、愛媛の企業再建王として有名だった坪内寿夫氏率いる来島ドックグループが開発した温泉リゾート奥道後の一角にあるロープウェイです。管理人も子供の頃、親に連れられ何度か遊びに行った記憶があります。坪内氏が映画館主から身を起こしただけあり、園内に映画館がありました。奥道後ロープウェイは奥道後の観光開発の一つとして昭和39(1964)年にホテル奥道後が開業、バブル期には多くの観光客で賑わいましたが、近年では社会情勢の変化と奥道後の観光産業が衰退した事に伴い乗客は激減し、平成21(2009)年12月からは運行休止となり現在に至っています。



ロープウェイのロープもまだ残っている模様。


事業者名:奥道後国際観光株式会社
公式サイト:http://www.okudogo.co.jp/hotel/index.html
所在地:愛媛県松山市末町267
キロ程:1168m
支柱基数:2基
高低差:476m
最急勾配:34度39分
輸送能力:327人/時
搬器台数:2台
速度:3.6m/s
動力:電気 100kw
許可年月日:1963年12月19日
運輸開始年月日:1964年12月25日 2009年12月運行停止
種別:普通索道
方式:三線交走式(1支索2えい索)
搬器定員:41人
山麓:
山頂:
索道メーカー:日本ケーブル
搬器メーカー:武庫川車輌 1993年


アクセス:伊予鉄バス 松山空港線 奥道後バス停 下車すぐ





御荘湾ロープウェイ

 御荘湾ロープウェイは、南レクを構成する3つのエリアのうち、御荘湾に面した御荘/城辺地区(南予レクリエーション都市第5号地区)内に建設された4人乗りの自動循環式ゴンドラリフトです。愛南町にある四国最大級のプール、「南レクジャンボプール」脇の山麓駅と、湾を挟んで対面の宇和海展望タワーが聳える馬瀬山(標高160m:同第3号地区)の山頂駅を約8分で結んでいました。同索道は、大半が海上のため、11基の支柱のうち径間の長い海上の3基は海中に基礎が建設された本格的な海上ロープウェイです。当時、御荘側から馬瀬山までのアクセスはこの索道と、有料道路の西海道路(2006年無料化)に限られていたため、宇和海展望タワー利用者の足としても機能していました。



馬瀬山から見る美しい御荘湾。御荘湾ロープウェイは、この湾を横切る海上ロープウェイだった。



御荘湾内にロープウェイの支柱基礎が3基残る。



山の中腹には支柱がそのまま残る。ロープは残っていない。



山頂駅付近。



山頂駅の建物は、まだそのまま残っている。



山頂駅。御荘湾展望台の切符売り場でもあったので、比較的最近まで建物は使用されていた。



事業者:南予レクリエーション都市開発(株)
所在地:愛媛県南宇和郡
山頂駅名称:馬瀬山頂
山麓駅名称:長崎
開業:1977年8月10日 2006年3月運行停止
索道の方式:単線自動循環式
水平:1548.74m
傾斜長:1566.37m
高低差:155.2m
支索の最急勾配:24.07°
支柱(基):11
搬器の種類・数:72
最大乗車人数:4人
施工:日本ケーブル


山頂駅アクセス:宇和島自動車 外泊線 展望タワー入口バス停 下車徒歩15分