魚梁瀬森林鉄道は、かつて高知県にあった森林鉄道で、「日本三大美林」の一つといわれる魚梁瀬杉を運搬することを主目的として開業しました。一部路線では一般客も乗車可能でした。しかし、陸上交通網が整備されつつあったことに加えて、魚梁瀬ダムの完成により軌道が水没することから1964年(昭和39年)に全線廃止となりました。廃止後は高知東部交通がバスを運行しています。
廃線後は、野村組工作所(高知市)製のDL1両のみが保存されていましたが、1991年(平成3年)に丸山台地にある魚梁瀬丸山公園へ移設・動態保存されました。これに合わせ、谷村鉄工所タイプのDLを垣内鉄工所で復元したDLが搬入され、日曜日を中心に観光運転されています。以下に丸山公園の観光路線、動態保存されている車両を紹介します。
尚、馬路集落には、現在馬路温泉馬路森林鉄道というポーター社製SLをモデルとした遊覧鉄道が走っています。
魚梁瀬ダム完成による水没後居住地となった丸山台地にある丸山公園には、森林鉄道を偲んで
周回軌道が造られている。日曜日を中心に観光運転を行っており、その乗車駅が「森の駅
やなせ」である。
きっぷうりば
なぜか、営業日、営業時間にも関わらず窓口が閉鎖している。係員の方が外におられたので、
聞いてみると、レール不具合により本日より当面運行できなくなったとのこと。ショック。
こんな山奥まで来たのに。。。
毎週日曜日運転。10:00~15:30まで
乗車料金は大人400円で所要約7分(エンドレスを2周)
エンドレス軌道の内側からホームを見る。
のりば
軌道の周辺も木々が一杯で森林鉄道の雰囲気満点。
軌道幅762mmの本格的なナローゲージである。
軌道の外には、製材所などもあり雰囲気満点。
こちらは車庫。自由に見学して良いと許可を貰った。
主力の谷村鉄工所型ディーゼル機関車
谷村鉄工所は高知の地元機関車メーカーで1910年(明治43年)創業の会社。1945年(昭和20年
の空襲で工場を焼失し倒産した。
機関車はロッド駆動であることが分かる。
車庫の先はすぐに本線(エンドレス線)に合流。
谷村鉄工所型ディーゼル機関車の運転室。
谷村鉄工所製DLを模して平成3年に新製された機関車である。
高知の株式会社垣内による製造である。
機関車と木造客車
谷村型の隣の茶色の機関車が、魚梁瀬森林鉄道オリジナルの野村組工作所製の機関車である。
野村組工作所製機関車L-69
野村組工作所製森林鉄道用機関車は、全国の森林鉄道で加藤・酒井
両製作所製の機関車とともに活躍した。
背面にはかつて木炭ガス発生装置が搭載されていた。
野村組工作所製機関車の運転室。ハンドルはブレーキ制御用。
こちらは酒井製作所製C-16形
3.5トン機のガソリン機関車で1998年以来馬路村で保存されている。
東京営林局の水窪営林署(静岡県)で使用されていた機関車。
酒井製作所製C-16形の運転室
岩手富士産業製特殊軽量機関車
自重1.9tで分解しやすく、人力でも本線と接続していない上部軌道に運ぶことが可能だ。
岩手富士産業と協三工業で製造されていた。全ての部品は50kg以内。
自動遠心クラッチ、両運転台方式。鳥取営林署の廃車体を高知市の株式会社垣内がレストアした。
岩手富士産業製特殊軽量機関車の運転室
運材車
屋根付客車の車内。立派な木造車体である。
庫外には足漕ぎトロッコもあった。
乗車料金
大人400円 小人200円
営業時間
10:00〜15:30 日祝日のみ営業 8月は土曜も営業
住所
高知県馬路村魚梁瀬丸山
アクセス
土佐くろしお鉄道 安芸駅から高知東部交通(バス)で約1時間31分 「丸山」バス停で下車
TEL
0887-43-2055(平日9時~16時)
魚梁瀬森林鉄道 丸山公園