牟岐線は、徳島県徳島市の徳島駅から徳島県海部郡海陽町の海部駅に至るJR四国の路線(地方交通線)である。阿佐海岸鉄道阿佐東線とともに「阿波室戸シーサイドライン」の愛称が付けられている。国鉄時代には室戸・後免方面への延伸が計画されていたが海部駅までの延伸で終わった。その後、海部 - 甲浦間は阿佐海岸鉄道阿佐東線として1992年に開業している。

路線データ
 路線距離(営業キロ):79.3km
 複線区間:なし(全線単線)
 電化区間:なし(全線非電化)
 閉塞方式:特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
 交換可能駅:10(二軒屋駅、中田駅、南小松島駅、立江駅、羽ノ浦駅、阿南駅、桑野駅、由岐駅、日和佐駅、
         牟岐駅)
 最高速度:110km/h
 司令所:徳島CTC制御所(徳島運転所内)


運行形態
 優等列車として徳島駅 - 牟岐駅間に特急「むろと」が1往復運転されている。車両はキハ185系が使用される。
 普通列車は、おおむね阿南駅で運転系統が分かれており、徳島駅 - 阿南駅間は日中30分間隔のパターンダイヤ、阿南駅 - 牟岐駅・海部駅間は2時間に1本程度の運転となっている。高徳線板野駅・徳島線穴吹駅・鳴門線鳴門駅発着の列車も設定されている。一部の列車(牟岐駅 - 海部駅については全列車)がワンマン運転を実施している。車両は徳島運転所のキハ40系、1000形・1200形、1500形が使用される。以前は、牟岐駅 - 阿佐海岸鉄道阿佐東線甲浦駅間の直通列車が2往復設定されており、JRの車両と阿佐海岸鉄道の車両が1往復ずつ使用されていたが、2019年3月16日改正で廃止された。


沿線風景
 徳島駅を発車すると、右手に眉山を望みつつ徳島市街を南下する。阿波富田、二軒屋と進み、やがて沿線は市街地から近郊風景に変わる。勝浦川を渡ると徳島市から小松島市に入り中田に到着する。中田駅からは、かつて小松島線が分岐していた。中田を発車すると右にカーブし小松島線跡と分かれる。小松島線跡は直進している。牟岐線は小松島市街の南側を東進し、現在の小松島市の中心駅、南小松島に到着する。その後は田園風景の中を進み、阿波赤石付近では一瞬であるが海に近づく。立江を過ぎると小松島市から阿南市に入り、羽ノ浦駅に到着する。羽ノ浦を発車し、田園風景の中を西原、阿波中島と進み右へ急カーブすると那賀川を渡る。引き続き桑野川を渡ると阿南に到着となる。牟岐線の拠点駅である阿南駅は現代的な橋上駅舎になっている。多くの普通列車がここ阿南駅止まりである。阿南を発車すると右手から山地が迫って来る。阿波橘を過ぎると谷間を西へ進み、盆地へ出て田園風景の中を走り南へ針路を変えると桑野駅である。ここからは山間を南へ進む。阿波福井を過ぎ長いトンネルを抜けると美波町に入り由岐に到着する。この先は海の近くを走っているが、実際は山がちでトンネルが多い。田井ノ浜は海水浴シーズンにのみ営業する臨時駅で、車窓からも一瞬海岸を望める。引き続き山間を走り、川向こうに町並みを望むと日和佐に到着する。日和佐からは再び、山間の谷間を進む。そして市街地に入ると牟岐町の中心駅、牟岐に到着となる。牟岐から先は1973年(昭和48年)に開業した公団線で比較的新しい区間である。直線的なルートで、トンネルの間では海が一瞬見える。海陽町に入り峠を越えると阿波海南。阿波海南発車後は、海部川を渡り、最後は構造物だけとなった町内トンネルをくぐると終点の海部に到着する。


主な優等列車の運行形態は以下の通り。

特急「むろと」           徳島ー牟岐



普通 キハ40 牟岐線 田井ノ浜




普通 キハ40+キハ40 牟岐線 田井ノ浜




普通 キハ47+キハ47 牟岐線 田井ノ浜ー木岐



普通 キハ40+キハ47+キハ47 牟岐線 山河内
















牟岐線