本四備讃線は、岡山県倉敷市の茶屋町駅から瀬戸大橋を渡り、香川県綾歌郡宇多津町の宇多津駅に至るJR西日本・JR四国の路線(幹線)である。1988年に開通した6つの橋梁からなる瀬戸大橋を渡り、本州と四国を結ぶ。瀬戸大橋は道路(瀬戸中央自動車道)と鉄道の併用橋となっており、本四備讃線は道路の下部を通る。JR四国の管轄区間は、瀬戸大橋区間を含む児島駅ー宇多津駅間となっている。
 本四備讃線と宇野線・予讃線の一部を合わせた岡山駅 - 高松駅間は「瀬戸大橋線」の愛称となっている。旅客向けの案内においては「瀬戸大橋線」と記されることが多く、「本四備讃線」という表現はほとんど使用されていない。
 全線がIC乗車カード「ICOCA」および「SHIKOKU ICOCA」のエリアに含まれている。また児島駅 - 宇多津駅間には、1996年1月10日から加算運賃100円が設定され、道路との共用部の維持費として支払われる「本四利用料」や、軌道の維持費などの一部に充当されている。


路線データ
 路線距離(営業キロ):31.0km
  四国旅客鉄道(第一種鉄道事業者)児島駅 - 宇多津駅間 18.1km
 複線区間:全線
 電化区間:全線(直流1500V)
 閉塞方式:自動閉塞式
 最高速度:茶屋町ー児島 130km/h
     :児島ー宇多津 120km/h
 司令所:高松CTC司令室(児島ー宇多津)


運行形態

本四連絡列車として以下の列車が運行されている。(定期列車のみ)
 特急「しおかぜ」:岡山駅 - 今治駅・松山駅間
 特急「南風」:岡山駅 - 高知駅・中村駅間
 特急「うずしお」:岡山駅 - 徳島駅間
 寝台特急「サンライズ瀬戸」:東京駅 - 高松駅間
 快速「マリンライナー」:岡山駅 - 高松駅間

 本四備讃線の終点は宇多津駅だが、高松方面と直通する快速「マリンライナー」や寝台特急「サンライズ瀬戸」は、宇多津駅構内にある短絡線(通過線)を通って坂出駅方面と行き来するため宇多津駅のホームは経由しない。ただし、特急「うずしお」は岡山駅 - 宇多津駅間で特急「南風」と併結運転するため、宇多津駅に停車する。運賃はいずれの場合も宇多津経由で計算される。
 このほか、岡山駅 - 児島駅間の普通も運転されている。岡山駅から予讃線観音寺駅、土讃線琴平駅に直通する普通列車も運転されていたが、2019年3月16日のダイヤ改正で消滅した。



沿線風景(児島ー宇多津)

 児島駅を出ると、JR四国の区間に入り、鷲羽山の山麓を進み、瀬戸中央自動車道の交点付近で神道山トンネル・鷲羽山トンネルを通過し、瀬戸大橋を渡り始める。瀬戸大橋は在来線と新幹線を合わせて4線敷設できるように考慮されているが、現在は中央の2線しか線路が敷設されていない。櫃石島 - 与島間は人家に近いことから、これらの区間を通過する際は騒音を抑えるよう速度を落として運転している。
 JR四国では、一部区間を除き風速が30m/s以上になると列車の運転を見合わせるとしているが、海上を走行することから、瀬戸大橋上での風速規制値は25m/s以上と厳しくしている。瀬戸大橋に設置されている風速計は信号機と連動しており、風速規制値を超えると自動的に停止信号を現示し、風が弱まるまで列車を一時安全な場所に停車させる。吊り橋の荷重制限から1列車の重量は最大1400tまで、1橋には(上下線合わせて)同時に2列車までという運転上の制限があることから、閉塞信号機はすべて陸地にあたる高架橋部に設置されている。また、列車火災に備えて櫃石島と与島の高架橋部には消火設備と避難通路が備えられている。
 四国に入ると工業地帯を通過し、瀬戸中央自動車道と分かれて右にカーブし、快速「マリンライナー」など坂出駅へと向かう連絡線が左へ分岐するが、特急「しおかぜ」や「南風」などは直進し、宇多津駅に到着する。
 全線を通してほとんどが橋梁・高架およびトンネルで、地平を走行する区間はなく、踏切は1か所も設けられていない。






特急「南風+うずしお」 2700系 本四備讃線 児島ー宇多津



快速「マリンライナー」 223系5000番台+5000系 本四備讃線 児島ー宇多津



快速「マリンライナー」  223系5000番台+5000系 本四備讃線 児島ー宇多津






































































本四備讃線