普通 6000系 予讃線 讃岐塩屋ー多度津


 本四備讃線(瀬戸大橋線)などで運用されていた111系が老朽化したため、取替を目的に本形式6000系が3両編成x2本計6両日本車輌で1995年(平成7年)に製造された。製造・保守のコスト低減を目指し、外部構造や主要機器の多くは他系列と部品共通化された。7000系電車との併結運用が可能である。
 当初は瀬戸大橋線を主とする地域輸送に投入されたが、2000年にJR東日本から113系を譲受した後は本四備讃線での運用は一旦なくなり、以後の増備も無かった。その後長らく四国内の電化区間での地域輸送で運用されていたが、2016年3月26日ダイヤ改正より本四備讃線での運用を再開した。しかし、これも長くは続かず2019年3月改正では本四備讃線の地域輸送列車そのものが廃止され、再び本四備讃線運用からは撤退した。

 高松方から 6000形(Mc, 制御電動車) - 6200形(T, 付随車) - 6100形(Tc', 制御車)の組成で、MT比 1 : 2 (1M2T) の3両固定編成である。6100形側に7000系の制御車7100形 (Tc) を連結し、 1M3T の4両編成でも運転可能である。

車体

 6000系電車は、211系、213系電車などと同一の車体断面で構成されたステンレス製の軽量構体で、前面はFRP製である。正面窓周囲の黒色処理、大型の助士席側正面窓は213系電車と同一の構成で、2連窓を主とした側窓配置は東海旅客鉄道(JR東海)311系電車に類似する。屋根は架線からの電気絶縁材として、ウレタン系塗装屋根材で覆っている。
 四国では無人駅が多数存在するなど運用線区の実態に鑑み、列車の最前部および最後部から容易に車掌が車外に出入りできるように運転台背後の空間を拡大している。また、編成中間のT車(6200形)には車掌コーナーが設けられ、1両を締め切って2両のみドア開閉を行う戸閉締切切り替えスイッチを設けることで短いホームでも客扱いが可能となっている。客用扉は片側3か所に設け、編成端部の扉以外は 1300 mm 幅の両開き扉である。運転台直後の客用扉のみ 950 mm 幅の片開き扉として運転台側の戸袋をなくしている。扉隣接部には半自動扱時のドア開閉ボタンを装備する。
 外部塗色はステンレス地肌の無塗装で、正面 - 側面窓下位置に ライトブルー+白色+赤色 の3色帯を配する。
 冷房装置は各車の屋根上に集中式 S-AU58 形1基を搭載する。

電源・制御機器

 制御装置として、大容量GTOサイリスタを用いたVVVFインバータを搭載し、8000系との部品共通化を図っている。制御単位は、個々の主電動機を個別に制御する 1C1M 方式である。主電動機は かご形三相誘導電動機 S-MT62 形 (160 kW) を6000形に搭載する。補助電源装置は、昇降圧チョッパ方式DC/DCコンバータと三相電圧式インバータで構成された静止形インバータ (SIV) である。定格容量は150kVAであり、8000系と共通の仕様である。
 空気圧縮機は、三相誘導電動機による駆動方式を採用した SMH3093-TC2000 を採用する。2000ccクラスを1基搭載し、供給能力は4両である。

 パンタグラフは7000系と同一の S-PS58 を採用し、離線によるアーク発生や停電による室内灯消灯を防止するため、6000形 (Mc) に2基を搭載する。すり板はカーボン製とし、摩耗防止効果四国域内の電化区間に狭小トンネルが存在するため、集電装置自体の最低作用高さを可能な限り低く設定し、かつ、車体の集電装置取付部屋根高さを下げた「低屋根構造」としている。

台車・ブレーキ装置

 台車は7000系と同一の台車枠、円錐積層ゴムによる軸箱支持装置、輪軸を採用したボルスタレス台車 S-DT62(動力台車)およびS-TR62(付随台車)である。牽引装置は1本リンク式とし、波打一体圧延車輪による軽量化や修正円弧踏面形状による乗り心地改善と踏面摩耗防止を図っている。基礎ブレーキ装置は動力台車がユニットブレーキ、付随台車がディスクブレーキと踏面ブレーキの併用である。駆動装置は、7000系と同様の歯車箱およびTD継手が採用された。
 ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを搭載し、6000形 (Mc) は回生ブレーキと空気ブレーキの協調を行う。回生ブレーキの失効時には自動で空気ブレーキに切替を行う方式である。

連結装置

 7000系と連結して協調運転を行うことから自動解結式の密着連結器と電気連結器を備え、6000形 (Mc) 運転台側を除いて三相用電気連結器も装備している。

車内

 座席は転換クロスシートが採用された。座席配置は扉間が隣接部のみ固定式とした2人掛6脚の2列配置、車端部が4人掛ボックス席となっている。客用扉の「鴨居」部にはLED式の車内案内表示器が設けられた。
 瀬戸大橋上での運転抑止・乗降不可能を想定し、トイレを6200形の高松方に設置している。
 中間車の6200形 (T) には、放送装置や車掌スイッチなどの車掌用設備を装備した業務用空間「車掌コーナー」が車端部に設けられた。主に無人駅での車掌による集札業務で使用するもので、白字で『乗務員室』と表記された半透明の仕切板で区画され、扉のない半開放空間である。座席は設けられず、車掌は立った状態で使用する。
 バリアフリー対応として、各車の客用扉にドアチャイムを装備し、6200形の松山方に車椅子スペースが設けられた。




参考出展:https://ja.wikipedia.org







普通 6000系 予讃線 香西ー高松貨物ターミナル



普通 6000系 予讃線 多度津




普通 6000系 予讃線 多度津





6000系量産車主要諸元


形式 6000系 
運用者 JR四国 
製造所 日本車輛製造
製造年 1995年
製造数  2編成6両
電気方式 DC1500V
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 110 km/h
全長 20,100 mm(6000形)
20,100 mm(6100形)
20,000 mm(6200形)
全幅 2,966 mm 
全高 3,640 mm
車体 ステンレス鋼
台車  S-DT62/TR62
主電動機 かご形三相交流誘導電動機 S-MT62 x 4
編成出力 主電動機出力 160kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
制御方式 GTOサイリスタ素子
VVVFインバータ制御
制動装置  回生ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
保安装置  ATS-SS






6000系編成表

配置:高松運転所

編成
番号
6000(Mc)+6200(T)+6100(Tc) 製造所 新製日 備考
 6001+6201+6101 日車 96.03.27
 6002+6202+6102 日車 96.03.27





<6000系運用列車> (2019年3月16日改正)


予讃線・土讃線
 1227M/1255M(快)/147M(快)/155M
 112M(快)/116M/1230M(快)/1258M


快速「サンポート」は4本を担当。
147Mと112Mは、7100形を増結した4両編成。



2編成保有の2仕業。予備車無し
点検時は7000系または7200系+7000系に車種変更となる。





















6000系