DE10形式ディーゼル機関車は、貨客列車牽引や入換用途を主目的として開発され、1966年(昭和41年)から1978年(昭和53年)までに合計708両が製作され、日本各地のローカル線で蒸気機関車を置き換え、動力近代化を促進した。
 1962年(昭和37年)に本線用ディーゼル機関車DD51形でDML61系1,000PS級V型12気筒ディーゼル機関の実用化がなされると、同系統の機関を1基搭載とした中型機の構想が具体化した。エンジンや変速機を1系統とするなど、部品点数の削減で保守性の向上と軽量化を図り、支線区でも広汎に使用できる機関車を目標としたものである。DD20形の試用結果を受け、軸重・牽引性能と汎用性の両立を実現するため、動軸を5軸として13t級の軽軸重を実現し、3軸+2軸の台車配置・前後非対称の車体構造など、広汎に使用可能とするための設計が随所に盛り込まれた。これらの設計により、入換作業はもとより、臨時列車や貨物列車の牽引までをこなす高い汎用性から、国鉄の一形式単独としては唯一JR7社すべてに継承され使用されてきた。
 試作機の扱いとなるDE10 1, 2号機が松山気動車区に新製配置されたこともあり、本機は非常に四国にゆかりのある形式となっており、長らくJR四国多度津工場にて保管されていたDE10 1号機は、現在四国鉄道文化館にて静態保存中である。

 現在、JR四国に残るDE10はすべて改良増備形である1000番台以降で、基本番台の機関の設計を変更し、燃料噴射ポンプや予燃焼室の形状を改良して出力を向上したDML61ZB形 (1350PS / 1550rpm) を搭載した区分で、全車がSGを搭載する。

 JR四国には旧国鉄から基本番台機4両を含む37両が承継され、この中には「アイランドエクスプレス四国」牽引用の専用塗装機も存在した。JR四国発足当初に多数存在した50系客車の客車列車は、直後より気動車に置き換えられ、基本番台機を含む多数が淘汰された。以後も残存機が貨物列車や団体専用列車の牽引に使用されたが、石灰石専用貨物列車の廃止や予讃線観音寺 - 伊予市間の電化延伸に伴う貨物列車運用のJR貨物電気機関車への移管、団体専用列車の減少により稼動車は極端に減少している。2021年12月時点では、臨時列車・工事列車などの不定期列車牽引用として、高松運転所(多度津常駐)に1両のみ( DE10 1139)が在籍する。




DE10 1095 多度津にて



DE10 1095 多度津にて



DE10 1095 多度津にて



DE10 1095 多度津にて



DE10 1139 多度津にて



DE10 1139 多度津工場にて



DE10 1095 多度津工場にて



DE10 1095 多度津工場にて



DE10 1095 多度津工場にて





DE10形主要諸元

形式 DE10 1000番台
運用者 日本国有鉄道
JR北海道
JR東日本
JR東海
JR西日本
JR四国
JR九州
JR貨物 
製造所  日本車輛製造
汽車製造
日立製作所
川崎重工業
製造年  1966-1978年
運用開始   1966年
最高運転速度  85 km/h(高速段)
45 km/h(低速段)
全長 14150 mm 
全幅 2950 mm 
全高  3965 mm
車体  普通鋼
車両定員 -
自重  72.0 t 
台車   DT131, DT132
機関   DML61ZB
機関出力   1350 PS/1550 rpm
変速機  DW6
変速段   変速2段、直結1段 手動切替
制動装置   自動空気ブレーキ
保安装置  ATS-SS


























DE10