特急「うずしお」 2600系 高徳線 高松


 2600系気動車は、JR四国の特急形気動車で、1989年(平成元年)に開発された同社2000系気動車の置き換えを目的として製造された車両である。2017年に先行車2両編成2本計4両が川崎重工業車両カンパニーにて製造された。先行車4両の製造費は14億円。

車体構造
 車体はステンレス製で、レーザー溶接を用いて組み立てられた。車両側面にはフルカラーLED式の号車行先表示器が設置されている。前頭部は普通鋼製であり、貫通構造である。貫通扉には列車愛称を示す表示器が設けられ、前照灯はLED電球が使用されている。電気連結器は密着式を装着する。
 外観は「Neo japonism」をコンセプトに、日本の伝統意匠を現代風にアレンジし、「安らぎと先進性を合わせた車両」にデザインされている。車体の塗色は四国の豊かな自然に映えるディープレッドを基調に吉兆の伝統配色である「赤と金」を配している。

車体傾斜装置
 2000系と同様に車体傾斜装置が搭載されているが、構造の簡素化によるメンテナンス費用抑制の目的から、制御付き自然振子装置ではなく、8600系電車と同様の空気ばね式車体傾斜装置が採用された。曲線上で外側を向く方の台車の空気ばねの高さを上げて車体を最大2度傾斜させ、マップ式とセンサ式の2つの方式を用いて車体の傾斜を制御する。マップ式は予めTC装置に地上データを保存しATSの地上子から自車位置を検出して曲線の手前から車体を傾けていく仕組みで、センサ式はジャイロと加速度計から曲率を求めて車体を傾斜させる仕組みである。なお、空気ばね式車体傾斜装置の採用により圧縮空気の消費量が増加するため空気圧縮機には電動式のS-MH16-SC1100が採用され、屋上に空気タンクが搭載された。床下に車体傾斜制御電磁弁が設置されている。車体傾斜角が2000系の5度に比べて小さくなっているが、曲線通過性能は2000系とほぼ同等とされ、曲線通過速度は曲線半径R≧600 mの区間において本則+30 km/h、曲線半径600>R≧400 mで本則+25 km/h、曲線半径400 m>Rで本則+20 km/hである。

動力機関
 コマツ製の環境対応形ターボ・インタークーラー付き直列6気筒エンジンSA6D140HE-2 (450 PS / 2100 rpm) を各車に2基搭載する。機関の出力性能に対して余裕のある仕様として耐久性・信頼性の向上、検修の省力化、経費の節減が図られている。液体変速機はクラッチ切り替え時の乗り心地の向上と登坂性能の向上を両立させるべく2600系の開発に合わせて設計された、DW24(変速2段 / 直結4段)を搭載する。設計最高速度は2000系(N2000系を除く)と同等の120 km/h。

ブレーキ
 ブレーキ方式は機関・排気ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキであり、常用ブレーキ・非常ブレーキ・直通予備ブレーキ・耐雪ブレーキ・抑速ブレーキ・救援ブレーキの6系統を備える。滑走防止弁装置を装備し、高速域におけるブレーキ作用時の粘着力低下による滑走の防止を図っている。

台車
 車体傾斜装置・左右動ダンパ・ヨーダンパ付きの軸はり式ボルスタレス台車S-DT68を装着する。車輪は810 mmの一体圧延車輪であり、車軸受には密封複式円錐ころ軸受が使用されている。けん引装置は1本リンク方式である。Mc車とMc'車の先頭台車にはATS検知用の車上子が、Mc'車の先頭台車にはATS検知用の車上子に加えて車体傾斜の制御に使用する位置検知用の車上子が取り付けられている。各車軸の軸端に速度発電機、空転・滑走検知用速度発電機、接地ブラシが取り付けられている。
 基礎ブレーキ装置は動軸側が踏面ユニットブレーキ、従軸側が軸ディスク + 踏面ユニットである。各軸制御にABSを採用し、ブレーキ性能の向上が図られている。先頭台車の1位側は駐車ブレーキ用のばね式ブレーキユニットが取り付けられるように準備工事が施されている。

沿革・運用
 2017年(平成29年)1月30日に先行車4両が落成し、同年2月15日に高松運転所に搬入された。同月より性能試験を行い、その結果次第で最初に導入する路線を決めるとされた。試験中の同年8月11日には高徳線で「営業列車一番列車ツアー」として初めて旅客運用を行い、その後阿波おどり期間中に運転される高徳線の臨時特急列車「阿波おどり」1, 2号に充当された。
 試験走行の結果、カーブが連続する区間を有する土讃線においては、空気ばね制御に用いる空気容量の確保に課題があることが判明したため、2600系は量産が中止された。以後、新製の特急型気動車は、本系列をベースに車体傾斜装置を振子方式とした2700系を2019年1月に先行車4両(2編成)を導入し、2020年度までに40両を導入予定としている。
 本系列の量産先行車については、2017年12月2日より、カーブが比較的少ない高徳線の特急「うずしお」で営業運転を開始し、同列車3往復の運用に充当された。2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正より1往復増加し、4往復での運用となっている。


特急「うずしお」 2600系 高徳線 徳島



2600系 高松運転所 (一般公開時に撮影)



2600系 高松運転所 (一般公開時に撮影)



特急「うずしお」 2600系 高徳線 坂東ー池谷



特急「うずしお」 2600系 高徳線 勝瑞ー吉成





2600系主要諸元

形式 2600系
運用者 JR四国
製造所 川崎重工業
製造年  2017年
製造数  4両
運用開始   2017年8月11日
最高運転速度 120 km/h
全長 20,800 mm 
全幅 2,834 mm
全高 3,560 mm
床面高さ 1,105 mm
車体 ステンレス鋼
車両定員 46名(2600形)
52名(2650形)
自重  49.0 t
台車  S-DT68
機関   コマツ SA6D140-HE-2
機関出力  331kW(450 PS) x 2基
変速機  DW-24
変速段   変速2段、直結4段
制動装置   電気指令式空気ブレーキ
機関排気ブレーキ併用
保安装置  ATS-SS





2600系 車歴表

配置:高松運転所

編成
番号
 2650+2600 製造所 落成日 新製日 備考
 2651+2601 川重  17.01.30 17.03.05 量産先行車
 2652+2602 川重  17.01.30 17.03.05 量産先行車





特急「うずしお」編成情報(2020年7月19日現在)

下り
列車番号 列車号数 高松発 徳島着 編成   備考
3001D うずしお1号 6:12 7:31 2600系2両   
3003D うずしお3号 7::05  8:14 2700系2両  
3005D うずしお5号 8:24 9:36 2700系2両   
3007D うずしお7号 9:11 10:18 2700系3両   
3009D うずしお9号 10:10 11:25 キハ185系2両 
3011D うずしお11号 11:06 12:15 2600系2両  
3013D うずしお13号 12:06 13:04 2700系2両   
3015D うずしお15号 13:12 14:15 2700系3両  
3017D うずしお17号 14:12 15:20 2600系2両   
3019D うずしお19号 15:12 16:20 2700系2両   
3021D うずしお21号 16:12 17:16 2700系3両   
3023D うずしお23号 17:15 18:23 2600系2両   
3025D うずしお25号 18:13 19:24 2700系3両   
3027D うずしお27号 19:17 20:27 2700系3両   
3029D うずしお29号 20:05 21:15 2700系2両   
3031D うずしお31号 21:21 22:33 2700系3両  
3033D うずしお33号 22:24 23:34 2700系3両  


上り
列車番号 列車号数 徳島発 高松着 編成   備考
3002D うずしお2号 5:41 6:54 2700系2両   
3004D うずしお4号 7:00 8:13 2700系5両 土休日は4両
3006D うずしお6号 8:23 9:31 2700系2両   
3008D うずしお8号 9:23 10:31 2600系2両   
3010D うずしお10号 10:28 11:37 2700系3両   
3012D うずしお12号 11:31 12:34 2700系2両  
3014D うずしお14号 12:24 13:31 2600系2両   
3016D うずしお16号 13:25 14:33 2700系2両  
3018D うずしお18号 14:27 15:31 2700系3両   
3020D うずしお20号 15:28 16:32 2600系2両   
3022D うずしお22号 16:46 17:44 2700系2両   
3024D うずしお24号 17:28 18:32 2700系3両   
3026D うずしお26号 18:30 19:36 2600系2両   
3028D うずしお28号 19:32 20:38 2700系3両   
3030D うずしお30号 20:34 21:40 2700系3両   
3032D うずしお32号 22:02 23:20 キハ185系2両  



















2600系