特急「剣山」 キハ185系 徳島線 辻ー阿波加茂


 国鉄の分割民営化を控えた1986年に、四国地区向けに製造された特急型車両である。従来の四国の特急列車に用いられていたキハ181系の代替車ではなく、老朽化した急行形のキハ58系・キハ65形の置き換えと同時に急行列車の特急格上げを行い、経営基盤の脆弱が予想されるJR四国の経営安定化を図る目的で開発された。また、短編成での小単位輸送に用いることも念頭に設計されたほか徹底したコストダウンも図られた。
  本系列は、運転台付き普通車のキハ185形と、運転台なしグリーン・普通合造車のキロハ186形の2形式から構成され、普通車の中間車が存在しないのが特徴である。
 国鉄特急型車両としては初めてステンレス製車体を採用し、軽量化とメンテナンスフリーを両立させた。側面窓の上下寸法は従来の車両より拡大した74cmとされ、連続窓風の外観処理がなされた。
 急行形気動車の代替車であり、当初より普通列車での使用も考慮されていたため、客用扉が在来形特急気動車の1両1箇所と異なり、各車両とも急行形並みに前後2箇所に設けられている。
 前面デザインは、同時期に北海道向けに製造されたキハ183系500番台と似た貫通型である。前灯・尾灯はフロントガラス上部に設置された。また、それまで特急型車両の先頭車に設置されていた特急シンボルマークおよびステンレス切抜きのJNRマークは廃止された。
 車体の塗装について、国鉄時代に製造された38両(キロハ186-1 - 8・キハ185-1 - 18・1001 - 1012)は地色を無塗装、ライトケース周辺は緑、運転室窓周辺は黒に近いダークグリーン、客窓周りおよび客用扉の窓の間を黒塗装とし、側面には緑色の帯テープを巻いていた。JR移行後に製造された14両(キハ185-19 - 26・1013 - 1018)はJR四国のコーポレートカラーである水色の帯となり、運転室窓とライトケース周辺も水色となった。国鉄時代に製造された車両も、1988年4月の瀬戸大橋線開業までに、この新塗装に変更された。


エンジン・変速機・逆転機
 エンジンはキハ38形と同一の新型直噴式機関であるDMF13HS(250ps/1,900rpm) を1両につきキハ185形には2基、キロハ186形は1基搭載している。一方で国鉄時代に製造された車両については製造コスト削減を目的として、変速機や運転台機器など一部の機器は、在来形気動車の廃車発生品を整備・手直しの上で流用している。このため、TC2A/DF115Aを変速機として使用し、かつ250ps級機関を1基ないしは2基搭載することから、機構が複雑になりやすい1台車2軸駆動方式は採用されず、駆動軸は在来型気動車の2エンジン車と同様、各動力台車のエンジン寄り1軸とされている。 キロハ186形が250psエンジン1基搭載であるため、これを組み込んだ編成あたりの総出力はキハ181系よりやや小さくなるが、軽量ステンレス車体の採用による大幅な自重軽減でキハ181系とほぼ同等の加速性能が確保されている。
当時の四国の各線区は最高速度が幹線でも95km/hにとどまっており、設計最高速度は将来の高速化を考慮して110km/hとした。

台車
DT55台車
 台車は同時期に北海道向けに新製されたキハ183系500番台と同様に、205系電車で初採用されたDT50を基本とする当時最新の円錐積層ゴム支持式ボルスタレス台車である、DT55(動力台車)およびTR240(付随台車)が新規設計された。 ただし、逆転機が台車装架であることや、ヨーダンパ取り付け準備工事の有無などの仕様の相違のため、別形式が起こされており、結果的にこのDT55・TR240は日本国有鉄道が新規開発した最後の台車形式となった。なお、ブレーキシュー(制輪子)は当初鋳鉄製を採用していたが、後にレジン(合成樹脂)製に交換されている。

接客設備
 本系列では車内の座席などの接客設備も大幅な改良が図られている。車内の仕切扉は空気式の自動扉とされた。キハ185形では同時期に製造されたキハ183系500番台と同様、背面に大形テーブルを設けたR-55系フリーストップ式リクライニングシートを採用した。座席の前後間隔はキハ181系より30mm拡大した940mmとしているが、機器室を省略した分、キハ181形(定員52名)よりも定員が多くなっている。
 キロハ186形のグリーン室は1列4人掛けのフリーストップリクライニングシートで、やはり背面に大形テーブルを持つほか、フットレストや中肘掛、側面テーブルを設置し、座席間隔を従来のグリーン車と同じ1,160mmとしている。普通室は0系新幹線の発生品である転換クロスシートが1,020mmの座席間隔で設置され、グループ客の利用を想定して座席間に折り畳み式の大型テーブルを設置した。
 冷暖房装置やドアエンジン等にはバス用の汎用部品を活用し、さらに徹底した部品点数の削減を行っている。冷房装置はバス用のエンジン直結式冷房機を流用したAU26で、観光バス車両などに用いられているような、各自で風量・風向の調節が可能な冷風吹き出し口を各席の荷物棚の下に設けている。


 キハ185系はJR移行後も14両(キハ185-19-26、1013-1018)が製造され、国鉄末期からJR移行後初期にかけて四国特急のエースとして活躍した。瀬戸大橋線開通後、騒音問題の対策としてキハ181系より車重が軽い本系列が多く瀬戸大橋線を経由する運用に変更されたが、後に双方とも減速運転することになった。繁忙期の「しおかぜ」は岡山 - 松山間9両編成、松山 - 宇和島間8両編成で運用されたこともあった。しかしJR四国は1990年代以降、島内で急速に整備の進んだ高速道路への対抗策として、より高速運転が可能な振り子式気動車である2000系の開発と増備を進めた。
 2000系の登場以降、性能面で見劣りする本形式は次第に余剰気味となり、一方でJR九州は老朽化・陳腐化していた急行用気動車の置き換えを検討していた。そこで本形式の一部がJR九州に売却された。
 JR四国は2000系投入後、キハ185系の普通車のアコモ改良として座席のモケットを交換し、背もたれを取っ手付きにして形状を変更した。キロハ186形の普通室は折りたたみテーブルを撤去し座席を交換した。1996年には一部が徳島線特急「剣山」の運転開始にあわせて塗装変更が実施されている。また1998年と2003年には同年製造された予土線、土讃線・瀬戸大橋線(本四備讃線)のトロッコ列車(キクハ32形)の控車としてキハ185-20・26が緑帯の「国鉄色風」となった。
また、一部車両が「アイランドエクスプレス四国II」や「ゆうゆうアンパンマンカー」に改造された。

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特急「むろと」 キハ185系 牟岐線



特急「むろと」 キハ185系 牟岐線



特急「剣山」 キハ185系 徳島線



特急「剣山」 キハ185系 徳島線



特急「剣山」 キハ185系 徳島線



特急「うずしお」 キハ185系 高徳線



特急「うずしお」 キハ185系 高徳線 坂東ー池谷



特急「いしづち」 キハ185系 予讃線




キハ185系主要諸元

形式 キハ185系 
運用者 日本国有鉄道
JR四国
JR九州
製造所  日本車輛製造
新潟鉄工所
富士重工業
製造年  1986年~1988年
製造数  52両 
運用開始   1986年11月1日
最高運転速度  110 km/h
全長 21300 mm 
全幅 2903 mm
全高 3845 mm
車体  ステンレス鋼
車両定員 60名(キハ185 0番台) 
自重  39.0 t (キハ185 0番台) 
台車   DT55/TR240
機関   DMF13HS
機関出力   250 PS/2000 rpm x2
変速機  TC2A/DF115A
変速段   変速1段、直結1段
制動装置   電磁自動空気ブレーキ(CLE)
保安装置  ATS-SS




キハ185系車歴表

番号 新製日  製造所 新製配置 現配置 現況 
キハ185-1 86.8.27 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-2 86.8.27 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-3 86.8.27 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-4 86.9.3 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-5 86.9.3 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-6 86.9.10 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-7 86.10.13 新潟 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-8 86.10.13 新潟 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-9 86.10.13 新潟 高松 高松 キハ185-3009に改造後復元
剣山色
キハ185-10 86.10.13 新潟 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-11 86.10.17 新潟 高松 高松 アイランドエクスプレスⅡ塗装

キハ185-12 86.10.17 新潟 高松 高松 アイランドエクスプレスⅡ塗装

キハ185-13 86.10.16 富士 高松 高松  キハ185-3013に改造後復元
剣山色
キハ185-14 86.10.16 富士 高松 高松 17.1.16 キロ185-1001に改造
四国まんなか千年ものがたり
キハ185-15  86.10.16. 富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-16  86.10..23  富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-17 86.10.23 富士 高松 高松 国鉄色

キハ185-18  86.10.23 富士 高松 高松 国鉄色
 
キハ185-19 88.4.8 新潟 高松 高松 JR四国色

キハ185-20 88.4.8 新潟 高松 高松 志国高知幕末維新色
 
キハ185-21 88.4.8 新潟 高松 高松 JR四国色

キハ185-22 88.12.23 富士 高松 高松 剣山色

キハ185-23  88.12.23 富士 高松 高松 剣山色

キハ185-24  88.12.23  富士 高松 高松 剣山色

キハ185-25 88.12.23  富士 高松 高松 剣山色

キハ185-26 88.12.23 富士 高松 高松 15.3.6 キロ185-26に改造
アンパンマントロッコ




番号 新製日  製造所 新製配置 現配置 現況 
キハ185-1001 86.8.27 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡
 
キハ185-1002 86.8.27 日車 高松 高松 99.7.1 キハ185-3102に改造
17.1.16 キロ185-1003に改造
キハ185-1003 86.8.27 日車 高松 松山 99.7.1 キハ185-3103に改造

キハ185-1004 86.9.3 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-1005 86.9.3 日車 高松 松山 99.7.1 キハ185-3105に改造

キハ185-1006 86.9.10 日車 高松 松山 99.7.1 キハ185-3106に改造

キハ185-1007 86.10.13 新潟 高松 松山 99.7.1 キハ185-3107に改造

キハ185-1008 86.10.17 新潟 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-1009 86.10.16 富士 高松 松山 99.7.1 キハ185-3109に改造

キハ185-1010 86.10.16 富士 高松 松山 99.7.1 キハ185-3110に改造
 
キハ185-1011 86.10.23 富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-1012 86.10.23 富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡

キハ185-1013 88.4.8 新潟 高松 松山  99.7.1 キハ185-3113に改造

キハ185-1014 88.4.8 新潟 高松 高松 JR四国色
 
キハ185-1015  88.4.8 新潟 高松 高松 JR四国色

キハ185-1016  88.4.8 新潟 高松 高松 JR四国色

キハ185-1017 88.12.23 富士 高松 高松 剣山色

キハ185-1018  88.12.23 富士 高松 高松 剣山色
 




番号 新製日  製造所 新製配置 現配置 現況 
キロハ186-1 86.8.27 日車 高松 廃車 13.3.31廃車
 
キロハ186-2 86.8.27 日車 高松 高松 ゆうゆうアンパンマンカー

キロハ186-3 86.8.27 日車 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡
 
キロハ186-4 86.10.17 新潟 高松 高松 99.8.25 キロ186-4に改造
17.1.16 キロ186-1002に改造
キロハ186-5 86.10.17 新潟 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡
 
キロハ186-6 86.10.16 富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡
 
キロハ186-7 86.10.23 富士 高松 JR九州 92.2.12 JR九州へ譲渡
 
キロハ186-8 86.10.23 富士 高松 高松 99.8.25 キロ186-8に改造
アイランドエクスプレスⅡ





キハ185系運用 (2020年3月14日改正)

高松運転所 四カマ

キハ185 x 2B

高松10:10~3009D~11:25徳島12:01~4005D~13:16阿波池田13:33~4008D~14:45徳島15:01~4007D~16:16阿波池田16:32~4010D~17:45徳島19:33~5051D~20:50牟岐

牟岐6:19~521D~6:35海部6:42~532D~牟岐7:00~5052D~8:18徳島20:17~4013D~21:34阿波池田

阿波池田6:47~4002D後~8:02徳島9:01~4003D~10:15阿波池田10:27~4006D~11:38徳島19:04~4011D~20:22阿波池田

阿波池田6:47~4002D前~8:02徳島

徳島6:46~4001D~8:10阿波池田8:33~4004D~9:47徳島17:57~4009D~19:17阿波池田19:50~4012D~21:04徳島22:02~3032D~23:20高松


キハ185 x 2B(臨時)

高松~宇多津8:26~9006D~8:44高松9:42~9005D~10:10多度津~宇多津11:33~9012D~11:54高松12:50~9011D~13:18多度津~宇多津13:34~9016D~13:55高松14:50~9015D~15:19多度津~宇多津16:34~9022D~16:54高松17:53~9021D~18:21多度津~宇多津19:38~9028D~19:56高松20:59~9027D~21:26多度津~高松

高松~宇多津9:25~9008D~9:46高松10:47~9007D~11:17多度津~宇多津12:33~9014D~12:54高松13:50~9013D~14:18多度津~宇多津14:34~9018D~14:55高松15:50~9017D~16:19多度津~宇多津17:35~9024D~17:57高松18:59~9023D~19:26多度津~高松


キロハ186-2 1B増結(土休日)

高松10:10~3009D~11:25徳島12:01~4005D~13:16阿波池田13:33~4008D~14:45徳島15:01~4007D~16:16阿波池田16:32~4010D~17:45徳島22:02~3032D(非営業)~23:20高松


















キハ185系