快速「マリンライナー」 223系5000番台+5000系 高松


 223系5000番台車は、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」の輸送改善と在来車の213系を置き換えるために、2003年7月に2両編成7本(計14両・P1 - P7編成)が川崎重工業で製造され、岡山電車区に配属された。

 基本的な構造は223系2000番台2次車を踏襲しているが、JR四国との乗り入れ協定もあり、様々な設計変更がされている。前面は連結運転時に常時乗客が編成間を通行できるように貫通幌が設置されたため、前面ガラスが直立した形態となった。側窓は1000番台とほぼ同一の下降窓構造となった。窓周りの茶色の部分は上下方向に縮小され、車端部以外1000番台と同じデザインとなっている。JR四国5000系と極力機器の共通化を図る目的から、動力伝達装置は従来のWNドライブからTD継手式(中実軸)平行カルダン駆動に変更されている。
 223系5000番台車は、ATS-Pが整備されていない路線で運用されるため、準備工事のみの施工となっている。JR四国の5000系岡山側後方2両と共通仕様であり、違いは車体に貼付されたJRマークの色(コーポレートカラー)と排障器(スカート)の形状の違い(5000形のスカート強化改造が行われておらず、223系登場時の原形のままである)程度しかない。
 2015年より223系に対し先頭車間転落防止幌を設置する工事が進められているが、本番台では2020年現在でも先頭車間転落防止幌が設置された編成は存在しない。

「マリンライナー」専用車両として開発されたため、四国内の鳥越トンネルの通過は考慮されず、パンタグラフ折り畳み高さは一般的な電車と同じになっている(鳥越トンネルを通過する場合、パンタグラフ折り畳み高さは3900mm以下に抑える必要がある)。





223系5000番台 主要諸元


形式 223系5000番台 
運用者 JR西日本
製造所 川崎重工業
製造年  2003年
製造数  7編成14両
電気方式 DC1500V
最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 130 km/h
全長 20,100 mm
全幅 2,950 mm
全高 3,640 mm
車体  ステンレス鋼
台車  軸梁式ボルスタレス台車
(ヨーダンパ付)
WDT59
WTR243
主電動機 かご形三相交流誘導電動機 WMT102B
編成出力 主電動機出力 220kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
制御方式 PWMIGBT
VVVFインバータ制御
制動装置  発電ブレーキ 
電気指令式ブレーキ
直通ブレーキ
抑速ブレーキ
保安装置  ATS-SW
列車防護無線
















223系5000番台