役目を終えた四国の名車たちが、往時の姿で四国外でも保存展示されています。
ここでは、番外編として四国外で保存展示されている四国ゆかりの車両を紹介します。




岡山県 津山まなびの鉄道館

DF50形ディーゼル機関車 DF50 18

 津山まなびの鉄道館は、国内に現存する扇形機関車庫の中で2番目の規模をほこる「旧津山扇形機関車庫」や収蔵車両を中心とするさまざまな展示と憩いの施設で構成されています。
 津山まなびの鉄道館の収蔵車両の特徴は、圧倒的なディーゼル車両を収蔵し、展示している事だと思います。他の施設が、蒸気機関車や電気機関車、新幹線などを主体にしている中、非常にめずらしい収蔵内容と言えます。四国は、かつてディーゼル王国と呼ばれたように、ディーゼル車が活躍の主体であっただけに、津山まなびの鉄道館では四国で活躍した車両の同型車も数多く展示されています。
 そのような環境の中、四国で活躍したDF50 18が津山まなびの鉄道館で保存展示されています。DF50 18は四国生え抜き車両で、新製配置後一度も四国外への配置は無かったのですが、廃車後は大阪にあった交通科学館で保存展示されていました。しかし、交通科学館に代わり、京都鉄道博物館が開館するに伴い、DF50 18は京都鉄道博物館入りに漏れる形となり、津山まなびの鉄道館で保存展示されることになりました。解体される事なく、新しい安住の地を見つけ何よりです。
 さて、津山まなびの鉄道館は、残念ながらその特徴である扇形機関車庫の中には入ることができず、通常は収蔵車両の正面しか見ることができません。しかし、 1か月に1週末程度ですが、1車両が車庫から引き出され、転車台上での展示が実施されます。今回は、DF50 18が転車台上展示となりましたので、早速訪問し、交通科学館以来の再会となりました。




美しきDF50 18



DF50四国所属機の特徴である前面強化もはっきり分かる。



DF50 18は四国在籍中は高知配置が長く、主に土讃線で活躍。












扇形庫に収蔵されたディーゼル車両。いずれも四国所属車の同型車である。


キハ181国鉄色。四国では特急「しおかぜ」「南風」で活躍。
保存車であるキハ181-12は、特急「はまかぜ」で活躍した車両です。




その他にもたくさんのディーゼル機関車を保存展示。残念ながら四国配置車の同型機は
DD13のみ。(DD13の四国配置期間は短期間)




扇形機関庫外観。美しい建造物だ。







愛知県 リニア・鉄道館

キハ181系ディーゼル動車 キハ181-1

 リニア・鉄道館は、高速鉄道技術の進歩などを広く紹介する事を目的とし、JR東海により2011年3月に名古屋市港区金城埠頭に開設されました。リニア・鉄道館の特徴は、東海道新幹線を擁するJR東海らしく、圧倒的な新幹線車両を収蔵し、展示している事だと思います。さらに2014年には700系新幹線電車(723-9001)が、2019年にはN700系新幹線電車(X0編成3両)が展示に加わっています。一方で、この追加展示車両に置き換わる形で従来展示されていた300系の323-20、117系3両のうち2両、381系のクロ381-11の展示が終了しています。新しい文化財のために、古い文化財を解体するなど理解不能であり、JR東海の文化財に対する考え方には疑問を感じます。尚、新幹線、在来線車両共に展示車両は、ほとんどが東海地方にゆかりのある車両になっています。また、展示車両は全て静態保存車両で動態保存車両はありません。(本館はJR線との接続は無い。)
 さて、以上のようなリニア・鉄道館ですが、なんと四国で活躍したキハ181系のキハ181-1がリニア・鉄道館で保存展示されています。実はキハ181-1は完全なる四国生え抜き車両では無く、昭和43年の新製配置は名古屋で、当初中央西線の特急「しなの」で活躍しました。その後、1975年(昭和50年)の電化に伴い「しなの」は振子特急電車381系に置き換えられ、キハ181-1は四国に渡り特急「しおかぜ」・「南風」として活躍しました。1993年(平成5年)の廃車後は、JR四国からJR東海に譲渡され、リニア・鉄道館の前身である佐久間レールパークで保存展示されていました。そしてその後、リニア・鉄道館が開館するのに伴い、移送の上、リニア・鉄道館で保存展示されることになりました。解体される事なく、新しい安住の地を見つけ何よりです。



凛々しく美しいキハ181-1。当時の国鉄車両設計事務所のデザイナーは本当にすごい。



JR四国色時代には取り払われたJNRマーク。保存に際して復帰。







キハ181系の性能を支えた500PS機関のDML30HSC。
運転当時の爆音が脳裏に蘇る。



キハ181系の説明板。キハ181-1は生涯のほとんどを四国で過ごしたにも関わらず、
説明では四国のことは一言も触れられていない。




車両後部から車内に入ることができる。



キハ181系の特徴の一つ折戸の出入口扉



現役当時の車内の様子が蘇る!
座席は四国時代のまま(国鉄オリジナル仕様では無い)


前方は発電機室で通り抜け不可の構造。



車内銘板も残る。国鉄時代のものでは無く、JR四国のオリジナル銘板。



色褪せた車内広告もJR四国時代の物がそのまま残る。
「瀬戸大橋京阪フィッシャーマンズワーフ」の広告。与島にあったが現存しない。






「しおかぜ」のヘッドマークを掲げてみたい。。。



凛々しく美しい。





京都府 「19th CENTURY HALL」(19世紀ホール)トロッコ嵯峨嵐山駅

元阿波電気軌道4形(7)、国鉄鷹取工場「若鷹」号

 京都市右京区のトロッコ嵯峨駅に併設された「19th CENTURY HALL」(19世紀ホール)に国鉄鷹取工場の修繕練習機「若鷹」号が保存展示されていますが、本機は、元は阿波電気軌道(1926年に阿波鉄道に改称)が1921年(大正10年)にドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペル社で1両を製造(製造番号9752)したものです。出力60HPクラスの車軸配置0-4-0(B)型、単式2気筒飽和式のウェルタンク機でした。
 本機は、阿波電気軌道では4形(7)と称し、1933年(昭和8年)7月に同社が国有化されたのにともない、鉄道省籍に編入されたものです。鉄道省での形式は、私鉄時代の形式に阿波鉄道を表す「ア」を付加してア4形とし、番号は元のまま7として使用しました。国有化後は、入換機関車として岡山に転じましたが、1936年(昭和11年)5月に廃車となりました。その後、本機は鷹取工場内で解体されることなく保管されていましたが、1939年(昭和14年)に技術者養成のための実習機として転用することになり、設計は島秀雄技師がおこない生徒の手で改造が行われました。ボイラ、シリンダ、動輪をそのまま活用し、台枠を継ぎ足し、運転台を新製し、水タンクはウェルタンクを廃してサイドタンクとされました。本機は「若鷹(わかたか)」と命名されましたが、車籍は復活せず、工場内で修繕実習車として使用されました。太平洋戦争中は、機関車の不足から無車籍のまま安治川口駅にある国鉄用品庫の入換用に貸し出されましたが、戦後は1948年(昭和23年)に再び鷹取工場に戻って保管されていました。そして、2000年(平成12年)に鷹取工場が再開発のため閉鎖されることになったため、本機は京都市右京区のトロッコ嵯峨駅に併設された「19th CENTURY HALL」(19世紀ホール)に移され、D51形蒸気機関車などとともに静態保存されています。




数奇な人生を経て今なお京都に残る元阿波電気軌道4形(7)





本機の改造設計者はなんと島秀雄技師で、本機の銘板にも名前が残っている。
島秀雄技師は、蒸気機関車D51や0系新幹線の設計に携わり、国鉄の技師長も務めた
最も有名な国鉄の技術者である。








愛知県 日本車輛製造 豊川工場

8620形蒸気機関車 58623

 58623形蒸気機関車は、大正11年に日本車輛として初めて国有鉄道(当時の鉄道省)に納入した蒸気機関車です。以前にも各地私鉄向け、あるいは鉄道省にも建設工事用として各種の蒸気機関車を50両以上納入していましたが、この58623号が本格的旅客・貨物列車用として初めての鉄道省向け蒸気機関車となりました。
 58623号は汎用蒸気機関車として主に四国で活躍し、小松島機関区を最後として昭和45年3月に引退しました。そして、製造元である日本車輛により、この58623号は国鉄向け初の蒸気機関車として、保存・展示されることになりました。




愛知県豊川市にある日本車輛製造株式会社豊川工場


日本車輛製造で製作された初めての国鉄向け機関車がこの58623号機であった。


工場内での保存なので柵に囲まれてる。




58623 日本車輌名古屋工場=54
車歴;
1922-05-05 製造→納入;国鉄;58623→配属;名古屋局→
1922-05-00配置[名管達第437号];名古屋局内→
1922-05-03使用開始→
1931-01-31現在;人吉→
1932-01-31現在;人吉→
1934-00-00正明市→
1936-01-31正明市→
1939-01-31現在;高知→
1944-01-31現在;高知→
1951-01-01現在;松山→
1957-06-00現在;松山→
1963-03-31現在;小松島→
1970-05-28廃車;小松島→
保存;愛知県豊川市「日本車輛豊川工場」






同社内の近くにの敷地内には同社製の日本初のモノレールも展示
上野動物園で使用されていたモノレール車両。
































番外編 四国外にある四国ゆかりの保存鉄道車両