魚梁瀬森林鉄道は魚梁瀬杉の産地、高知県東部を走っていた森林鉄道で、1907年(明治40年)に安田川線に最初の軌道が開設されたのを皮切りに、奈半利川線等順次路線を伸ばしていきました。最盛時には総延長250kmに及ぶ国内屈指の森林鉄道網を築き上げた魚梁瀬森林鉄道ですが、モータリゼーションの波には勝てず、1963年(昭和38年)に廃線となりました。
高知県東部には森林鉄道の遺構が今も数多く残っており、中でも安田川・奈半利川流域の18の隧道や橋梁は、森林鉄道の遺構としては我が国で初めて国の重要文化財に指定されています。
路線データ
路線距離 :総延長250 km
軌間 :762mm
魚梁瀬森林鉄道各遺構の位置図です。
※魚梁瀬森林鉄道WEBミュージアム作成
①【エヤ隧道】 1911年(明治44年)竣工、切石積み
坑口には「Ⅰ」の刻印があり、安田川の下流側から順に番号がつけられていた。
【重要文化財】
③【オオムカエ隧道】 1911年(明治44年)竣工、切石積み
「Ⅲ」の刻印がある。
【重要文化財】
④【明神口橋】 1929年(昭和4年)竣工、下路平行弦プラットトラス橋
軽自動車以下が通行できる道路橋として使用されている。
【重要文化財】
⑤【釜ヶ谷桟道】石積みアーチ橋
【重要文化財】
⑥【釜ヶ谷橋】
【重要文化財】
⑦【平瀬隧道】1911年(明治44年)竣工、切石積み
【重要文化財】
⑧【五味隧道】1911年(明治44年)竣工、切石積み
ここだけ軌道が残っている。
トンネルを出た先、馬路方面を見る。
対岸にへばり付くRC橋の上の軌道
⑨【落合橋】1925年(大正14年)竣工、プレートガーダー橋
道路橋として使用。切石積の橋脚が良い雰囲気
【重要文化財】
⑩【河口隧道】
鋼材で覆工されている。
「Ⅷ」の刻印が刻まれている。【重要文化財】
⑪【犬吠橋】1924年(大正13年)竣工、上路プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋
残念ながら重量車の走行により2016年に落橋した。
落橋している!修復工事中【重要文化財】
⑫【井ノ谷橋】1924年(大正13年)竣工、上路プラットトラス橋+上路プレートガーダー橋
【重要文化財】
アクセス:JR四国高知駅からレンタカー
魚梁瀬森林鉄道