愛媛県 東予・中予


住友山田社宅


旧住友鉱業株式会社別子鉱業所長社宅


旧住友鉱業株式会社別子鉱業所長社宅。
住友山田社宅内では、敷地・建物とも最大規模を誇る。


旧住友鉱業株式会社別子鉱業所長社宅離れ 昭和12年建築


旧住友別子鉱山株式会社 外国人技師東社宅


旧住友別子鉱山株式会社 外国人技師東社宅


門柱と垣根が残る社宅跡。


広大な住友社宅跡。北海道の炭住跡を思い出す風景だ。



住友山田社宅は、昭和初期に住友企業の幹部社宅として順次整備され、最盛期には最大290戸ありました。住友山田社宅群は、「住友グループの昭和の近代化の象徴」と言えます。2020年8月17日官報告示により国の登録有形文化財になった「住友山田社宅」6棟のうち、整備を終えた社宅2棟を2021年3月28日に仮オープンされ、建物が限定公開されています。


アクセス
JR四国予讃線新居浜駅からレンタサイクルで約15分





えんとつ山


えんとつ山の入口


徒歩15分程度で山頂に到着。迫力あるレンガ造りの煙突に会える。





近代化産業遺産に登録。


えんとつ山の山頂からは新居浜市内を見渡す事が可能


 長年、新居浜市民から「えんとつ山」の愛称で親しまれている「生子山」(標高144.7m)。かつては豊臣秀吉の四国攻めの舞台でもありました。
 明治21年(1888)、住友家初代総理人であった広瀬宰平は、東京大学の教授であった岩佐巌(いわお)を招き、この地で湿式収銅法による収銅過程で、硫酸などの化学物質の抽出と更には、製鉄の試験を開始しました。官営八幡製鉄所の創業より7年前のことです。今では、高さ約20mの精錬所の煙突だけが残り、世界に短期間で追いついた明治の近代化を今日に伝えています。旧山根精錬所煙突は、平成21年(2009)に国の登録有形文化財として登録されています。


アクセス
JR四国予讃線新居浜駅から瀬戸内運輸(バス)で約10分。またはレンタサイクルで約20分で山根グラウンドに到着。
山根グラウンドから徒歩20分





山根グラウンド


マイントピア別子に向かう道の下手にある運動公園。
グラウンドの他、テニスコート、体育館、屋内プール、遊具広場などがある。


グラウンドには住友の社員によって建設された観客席となる石積みが残る。




 山根グラウンドは、別子銅山従業員の福利厚生を目的に造られたもので、全周400mのトラックを持ちます。 昭和3年(1928)11月に完成しました。建設作業は、前年2月から、鉱山の最高責任者、鷲尾勘解冶の指導で、「作務」という休日勤労奉仕(今日のボランティア活動)により行われました。石積の観客席は、20数段に及ぶ階段状で、生子山(通称煙突山)の斜面の沿って造られており、収容能力は3万人を上ると言われます。同じ石積の観覧席は、国領川対岸にある角野小学校グラウンドにも見ることができます。毎年11月3日には、住友従業員の親睦を目的とした親友会大会(運動会)が、このグラウンドを会場として盛大に行われました。なお、グランドから大山積神社、別子銅山記念館付近にかけての場所は、明治21年(1888)から明治28年(1895)までの間、山根精錬所が置かれていました。生子山の上に残る煙突は、その名残です。
 新居浜の太鼓祭りでは、ここのグラウンドで17台程の太鼓台が結集して「かきくらべ」が開催されます。


アクセス
JR四国予讃線新居浜駅から瀬戸内運輸(バス)で約10分。またはレンタサイクルで約20分





日本最大の造船会社 今治造船 本社・今治工場


本社・今治工場。今治造船の始祖の工場である。
ただし、現在の主力は丸亀事業本部・西条工場である。


 今治造船は、愛媛県今治市を中心にグループで10の造船所を保有している新造船竣工量において国内トップの造船会社です。以下の通り四国を中心にたくさんの工場・ドックを擁しています。

本社・今治工場 - 愛媛県今治市小浦町一丁目4番52号
 第1号船台: L 166m × B 28m
 第2号船渠: L 211m × B 43m

丸亀事業本部 - 香川県丸亀市昭和町30番地
 第1号船渠: L 270m × B 45m
 第2号船渠: L 370m × B 57m
 第3号船渠: L 610m × B 80m
 蓬莱事業部 - 香川県丸亀市蓬莱町12-1
 多度津事業部 - 香川県仲多度郡多度津町西港町1-1

西条工場 - 愛媛県西条市ひうち7番6号 L 420m × B 89m
 東ひうち事業部 - 愛媛県西条市ひうち東ひうち29番

広島工場 - 広島県三原市幸崎能地2-1-1
 第1号造船船渠 : L 378.0m × B 59.0m
 第2号造船船渠 : L 382.0m × B 56.0m

 しまなみ海道の自転車道より写真の通り今治造船今治工場が俯瞰できます。尚、2年に1回開催される日本最大の海事産業展バリシップ開催時には今治造船今治工場の一般公開もあるようですので要チェックです。


アクセス
JR四国予讃線波止浜駅から徒歩30分またはタクシー10分。
JR四国予讃線今治駅から瀬戸内運輸(バス)で約20分。展望台入口下車後徒歩10分。





公道から間近にドックが見える伯方造船



 日本は造船王国ですが、その中でも西日本に造船会社が集中しています。そして、西日本の中でもさらに瀬戸内地域に造船会社が集中しています。しまなみ海道の島、伯方島には村上秀造船、しまなみ造船、伯方造船となんと3つもの造船所が存在しています。その中でも伯方造船は、船舶の大型化に伴いドックを拡張し、なんど公道の間際までドックが迫り、建造中の船を間近に見ることができます。ド迫力です!進水式の日には、さらに迫力ある姿が見える事でしょう。
尚、言うまでも無く工場内への無断入場は厳禁です。


アクセス
JR四国予讃線今治駅からレンタカーで約30分。





愛媛県庁舎本館


愛媛県庁舎本館

 愛媛県庁舎は、戦前の1929年(昭和4年)に本館が完成しました。1980年には別館が完成、そして、1982年に県議会議事堂が完成し、現在に至ります。本館の工事費用はおおよそ100万円(当時)で、設計は木子七郎です。構造計算は東京タワーを設計した内藤多仲です。老朽化により、1994年に洗い出し工法により、大修繕が行われました。ドーム状の屋根(会議室がある)と左右対称が特徴的です。戦前は緑色で塗装されていたそうです。ホールには大島産の花崗岩と大理石が敷き詰められ、吹き抜けを貫通する柱に円柱を用いるなど、県政の中心の建物としての威厳をもたせながら、柔らかな雰囲気を出す工夫が施されています。また、正庁や貴賓室などは、地元の材料を駆使しながら、高い装飾性を備えています。2003年には、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケで本館が使用されました。2020年(令和2年)に国の登録有形文化財に登録されました。


アクセス
伊予鉄道 市内線 県庁前電停すぐ





三津の渡し


港を横切る僅か3分程の船旅


乗客一人でも運んでくれる。自転車も乗船可能である。



 三津の渡しとは、三津浜の西性寺前と港山地区との間の約80mを全長約9メートル・定員約10名の小型動力船で結んでいる渡し船です。運航時間は7時から19時で無休です。運航区間は市道であるため運賃は無料。通勤・通学などの市民の足として利用されています。ちなみに船長は委託の市職員です。
 三津の渡しのはじまりは、港山地区側にある港山城の築城の頃にまで遡ると言われます。1467年当時河野氏分家である河野予州家の河野通春が港山城に拠り、物資輸送と城兵が三津浜側にあった須崎の浜に毎朝食料を買い求めるために利用したのがはじまりと言われています。その後、豊臣秀吉の四国征伐により港山城が廃城となったあとも三津浜には松山藩の水軍が置かれ、須崎の魚市場の賑わいと共に、渡しも「須崎の渡し」「三津の渡し」「古深里(こぶかり)の渡し」「港山の渡し」などと呼ばれ、地元民の足として利用され続けています。 500年以上も続く渡し船とはすごいの一言です。


アクセス
伊予鉄道 高浜線 港山駅徒歩3分または三津駅徒歩10分





四国電力 湯山発電所(水力)


湯山発電所は四国初の水力発電所。奥道後のすぐ近くに位置する。


右の方に水圧鉄管が見える。

 四国初の水力発電所、湯山第一発電所(出力260kW)は、明治36年1月に建設されました。当時は資材の運搬にも苦労したようで、機材を載せた牛車が上り坂にきて動かなくなると、牛にお酒を飲ませて上らせたという話も残っています。また、この発電所は当時世界最高水準にあったため、国内外の博覧会に模型が出品され、大変な好評を博しました。その後、明治44年、大正12年と第2、第3発電所が建設されましたが、昭和32年にこれらを廃止して一つにまとめたのが、現在の湯山発電所(出力3400kW)です。

愛媛県松山市食場町
認可出力:3400 kW、使用水量:2.5 m3/s、有効落差:171.00 m

アクセス
伊予鉄松山市駅から伊予鉄バス松山空港線で34分。湯山発電所前バス停下車すぐ。





面河第三ダム


面河第三ダム


最大2万kWを越える巨大な発電容量を誇る。





ダムの下流には巨大な岩石が転がる。


面河第三ダムの下流は、美しいブルーが広がる面河川だ。


 面河第三ダムは、四国電力(株)が所有する発電専用の重力式コンクリートダムです。
ダム直下の面河第三発電所では最大出力22,000kwの発電を行っています。



ダム概要
所在地   愛媛県上浮穴郡久万高原町
河川名   仁淀川水系仁淀川
ダム型式  重力式コンクリートダム
ゲート   鋼製ローラーゲート 4門
堤高    42.0m
堤頂長   162.0m
総貯水容量 621.8万m3
本体着工年 1980年
本体完成年 1984年




アクセス
久万高原町営バス岩川線 伊予旭バス停から徒歩5分












ガイドブックには載らないディープな四国